この記事のポイント
Leafonyのドキュメントに掲載している温湿度記録サンプルを紹介します。太陽誘電製モジュール搭載のAC09でデータを送り、Google スプレッドシートに保存。専用サーバーの構築を省いて試せる良さと、AWS・SORACOMへ発展させる選択肢を解説します。
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「離れた場所の温度や湿度を記録したい。でも、そのためだけにサーバーを立てたり、専用の管理画面を作ったりするのは大がかりに感じる」。IoTの試作では、センサーで測ることに加えて、データをどこに保存し、どう確認するかも考える必要があります。
そこで紹介したいのが、Leafonyのドキュメントに掲載している「AC09 Cat-M1 TYで温湿度データをGoogle スプレッドシートに保存」というサンプルアプリです。太陽誘電製モジュールを搭載した通信リーフで温湿度データを送り、普段使っているスプレッドシートへ記録します。専用サーバーの構築から取りかからず、まずデータを集めて使ってみるための構成です。
温湿度記録サンプルでできること
温湿度記録サンプルのページでは、使用するリーフ、組み立て方、Google側の準備、送信設定、動作確認までを案内しています。データの流れは次のとおりです。
温湿度センサー → STM32 → AC09 → 携帯電話網 → Google Apps Script → Google スプレッドシート
AI01 4-Sensorsで測定した温度と湿度をAP03 STM32 MCUが読み取り、AC09 Cat-M1 TYから送信します。Google側では、Google Apps Script(GAS)がデータを受け取り、スプレッドシートへ1行ずつ追記します。送信にはHTTPSを使い、GASでトークンとデータを確認してから記録します。
標準の送信周期は10分。シートには受信日時、温度、湿度が並び、ブラウザーで開いて記録を確認できます。日時はGoogle側で受信した時刻をUTCで記録するもので、測定時刻とは異なります。通信状況によって、データが届く間隔も変わります。
太陽誘電製モジュールを搭載したAC09
このサンプルで通信を担うのが、Leafony用リーフ「AC09 Cat-M1 TY」です。太陽誘電の「WSCLxADAH2Z」シリーズを搭載し、Cellular LPWA Cat-M1で携帯電話網に接続します。nanoSIMスロットとアンテナを備え、マイコンやセンサーのリーフと組み合わせて使います。
現場にWi-Fiのアクセスポイントを用意せずにデータを送れるため、Wi-Fiを設置しにくい場所での試作にも使えます。利用には対応するSIMと通信契約が必要で、設置場所の通信エリアや電波状況を確認します。詳しい仕様はAC09の技術資料と太陽誘電の製品情報をご覧ください。
サーバーを立てずに記録と確認を始められる良さ
データを受け取るサーバー、保存するデータベース、記録を見るための画面。これらを一から構築すると、センサーを試す前に準備することが増えてしまいます。このサンプルでは、GASを受け取り口に、Google スプレッドシートを保存先と閲覧画面に使うことで、その負担を減らします。
記録がたまったら、表計算の機能でグラフにしたり、必要な人と共有したりできます。データを見るためだけに専用アプリを開発する必要もありません。「この場所では温湿度がどう変わるか」「測定する間隔はこれでよいか」「集めた値が業務の判断に使えるか」。まずは、そうした確認に時間を使えます。
もちろん、GASのコード登録や公開設定、トークンの管理は必要です。ただし、自前のサーバーを用意してOSや実行環境を保守する作業は省けます。Googleの実行環境でGASを動かすため、「サーバーを立てるところから始めなくてよい」というわけです。
まずは1台で現場のデータを見てみる
たとえば、Wi-Fiを用意しにくい倉庫や仮設の作業場所で、温湿度の変化を調べる試作が考えられます。まず1台で通信と記録を確認し、設置場所や測定間隔を調整する。データを見たうえで、通知や専用画面が必要かを考える進め方です。
ドキュメントには受信用のGASコードと設定手順が掲載されています。STM32側のプログラム一式については、同ページの「ソースコードの入手」を確認してください。2026年10月時点では配布URLは準備中と案内しています。
対象構成はAP03+AI01です。AP03B+AI05構成のCat-M1 Kitでは差分対応が必要で、同じファームウェアをそのまま流用できません。電池での動作時間は送信間隔や電波状況、消費電流の実測をもとに確認し、屋外への設置には用途に合うケースや防水・防塵対策も別途用意します。
AWSやSORACOMを使う選択肢も
データの保存先はスプレッドシートに限りません。独自の受信処理や業務システムとの連携が必要なら、AWSの仮想サーバーなどに自社の仕組みを構築する方法もあります。また、AWS IoT Coreでデバイスとクラウドサービスをつなぐなど、サーバーの管理をサービス側に任せる構成も選べます。
SORACOMを利用する構成では、SORACOM Harvestでデータの収集・蓄積とグラフ表示を行ったり、SORACOM FunnelでAWS IoTなどへ転送したりする選択肢があります。これらへ発展させる場合は、サービスの契約・設定に加えて、送信先や認証方式などに合わせたプログラムの変更が必要です。
どの構成を選ぶかは、台数、送信頻度、データの保存期間、必要な機能によって変わります。スプレッドシートで始める場合も、規模を広げる段階ではGASの利用上限や欠測への対応を確認します。最初は身近な道具で試し、要件が見えたら次の基盤を選ぶことができます。
小さく始めてデータの使い道を確かめる
Leafonyで「測る・送る」を組み合わせ、Google スプレッドシートで「ためる・見る」を始める。専用サーバーや閲覧画面の開発を省くことで、現場のデータを集め、その使い道を考えるところまで進めやすくなります。
構成や設定の詳細は、Leafonyのドキュメントをご覧ください。用途に合うリーフの組み合わせや、AWS・SORACOMなどへの展開は、ミットディアへご相談ください。
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