Leafonyでセンシングを始めよう!Basic Kit2の「4-Sensors Leaf」を解説

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Leafonyでセンシングを始めよう!Basic Kit2の「4-Sensors Leaf」を解説

目次

  1. はじめに
  2. Leafonyの基本構造
  3. 4-Sensors Leafの構成
  4. 各センサーの詳細
  5. 温湿度センサ:HTS221TR
  6. 照度センサ:OPT3001
  7. 加速度センサ:LIS2DHTR
  8. 省電力モード ── 電池寿命を左右する設計のポイント
  9. 実際の利用構成
  10. 4-Sensors Leafが選ばれる理由

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はじめに

Leafonyの入門キット「Basic Kit 2」には、マイコンリーフやBLEリーフと並んで、「AI01 4-Sensors」 と刻印された小さな基板が含まれています。これが4-Sensors Leafです。

温度・湿度・照度・加速度という、IoTセンサーノードの基本となる4項目をこの1枚でカバーできる構成になっており、プロトタイピングから本番運用まで幅広く活用されています。本記事では、搭載されている各センサーの特性とスペックを、実際の活用シーンを交えながら解説します。


Leafonyの基本構造

まずLeafonyの概要を簡単に紹介します。

Leafonyは、リーフと呼ばれる小型基板を積み重ねて使うモジュール型のIoT開発プラットフォームです。マイコン・センサー・通信・電源といった機能ごとに基板が分かれており、用途に応じて必要なリーフを組み合わせる設計思想を採用しています。基板サイズはおよそ2cm×2cm。コイン電池駆動を前提とした超低消費電力設計が特徴です。

Basic Kit 2はその入門キットで、4-Sensors Leafはキットの中核をなすセンサーモジュールにあたります。


4-Sensors Leafの構成

4-Sensors Leaf(型番:AI01)には、3種類のセンサーチップが実装されています。「4-Sensors」という名称は、温湿度センサーが1チップで温度・湿度の2項目を計測するため、合計4項目という意味です。

センサー

計測項目

チップ

温湿度センサ

温度・湿度

HTS221TR(STMicroelectronics)

照度センサ

明るさ

OPT3001(Texas Instruments)

加速度センサ

XYZ軸の加速度

LIS2DHTR(STMicroelectronics)

基板サイズはW23×D20.5×H4.7mm。接続インターフェースはすべてI2Cで統一されています。


各センサーの詳細

温湿度センサ:HTS221TR

STMicroelectronics製。I2Cアドレスは0x5F。

計測項目

レンジ

精度

温度

-40〜+120℃

±0.5℃(15〜40℃)

湿度

0〜100% rH

±3.5% rH(20〜80% rH)

注目すべきは -40℃までの動作保証 です。一般的な室内向け温湿度センサーは-20℃前後が下限となるものが多く、屋外設置を想定したセンサーノードの設計では制約になりがちです。HTS221TRはその点で、寒冷地や冬季の屋外モニタリングにも対応できる仕様となっています。

公式サンプル: 温湿度センサの読み取り

照度センサ:OPT3001

Texas Instruments製。I2Cアドレスは0x44または0x45(ジャンパで選択)。

計測項目

レンジ

照度

0.01〜83,000 lux

赤外線除去

99%以上

0.01luxから83,000luxという広いダイナミックレンジをカバーしています。83,000luxはほぼ直射日光に相当し、0.01luxはかなり暗い室内に相当します。この広範囲を実現しているのが、OPT3001に内蔵されたAutomatic full-scale range setting(自動レンジ切替)機能です。

もう一つの重要な特性が、赤外線を99%以上カットする設計です。一般的な照度センサーは赤外線の影響を受けるため、光源の種類(蛍光灯・LED・太陽光)によって計測値にばらつきが生じます。OPT3001は可視光領域に特化した計測を行うため、光源に依存しない安定した照度データを取得できます。屋内外を問わず設置する用途では、この特性が精度向上に直結します。

公式サンプル: 照度センサの読み取り

加速度センサ:LIS2DHTR

STMicroelectronics製。I2Cアドレスは0x49。

計測項目

レンジ(選択可)

加速度(XYZ)

±2g / ±4g / ±8g / ±16g

用途に応じて4段階のレンジを切り替え可能です。微細な振動を検知する場合は±2g、衝撃が想定される環境では±16gといった使い分けができます。

加えて、ハードウェアレベルで以下の検出機能を備えています。

  • 6D/4D方向検出 ── デバイスの姿勢(上下左右前後)を判定
  • フリーフォール検出 ── 落下を検知して割り込み信号を生成
  • モーション検出 ── 静止状態からの動き出しを検知

これらの機能はセンサーチップ内で処理され、マイコンへは割り込みピン経由で通知されます。マイコン側で常時ポーリングを行う必要がないため、スリープとの組み合わせによる省電力設計が可能です。インフラ保全や設備監視など、長期間バッテリー駆動が求められるユースケースとの相性が良い設計といえます。

公式サンプル: 加速度センサの読み取り


省電力モード ── 電池寿命を左右する設計のポイント

4-Sensors Leafに搭載されている各センサーICは、内部レジスタへの書き込みによって省電力モード(Power-down / Shutdown) に移行させることができます。

省電力モードでは各チップの消費電流が大幅に低下します。

センサー

通常動作時

省電力モード時

HTS221TR(温湿度)

2μA(1Hz計測時)

0.5μA

OPT3001(照度)

1.8μA

0.4μA

LIS2DHTR(加速度)

2μA(1Hz計測時)

0.5μA

IoTセンサーノードの多くは、常時計測を必要としません。たとえば「10分に1回、温湿度と照度を取得してBLEで送信する」という運用であれば、計測と送信の数秒間だけセンサーを起こし、それ以外の時間は省電力モードで待機させることで、電池寿命を大幅に延ばすことができます。

この「必要なときだけ起きて、終わったら寝る」という制御が、コイン電池1個で数ヶ月〜1年以上動作するIoT機器を実現するための基本設計です。Leafonyはマイコンリーフ側にもスリープ機能を備えているため、システム全体として一貫した省電力設計が可能になっています。


実際の利用構成

Basic Kit 2での典型的な構成は以下のとおりです。

  • マイコンリーフ(AP03 STM32 または AP01 AVR) でファームウェアを実行
  • 4-Sensors Leaf でセンサー値を取得
  • BLEリーフ(AB01) でスマートフォンやPCにデータを送信

すべてI2Cバスで接続されるため、ソフトウェアからは各センサーのI2Cアドレスにアクセスするだけで値を取得できます。

温湿度: I2C address 0x5F → 温度・湿度の値を取得
照度:   I2C address 0x44 → lux値を取得
加速度: I2C address 0x49 → X/Y/Z軸の値を取得

センサーの値が取れたら、次のステップは「取得したデータをどう活用するか」です。Web BLEを利用すれば、PCやスマートフォンのブラウザからリアルタイムでセンサー値を確認できます。


4-Sensors Leafが選ばれる理由

4-Sensors Leafの最大の利点は、環境モニタリングに必要な基本4項目をこの1枚で網羅できる点にあります。

温度・湿度・照度・加速度は、IoTセンサーノードの用途の大部分をカバーする組み合わせです。「何を計測すべきか」が確定していないPoC段階でも、この4項目が揃っていれば検証の幅が広がります。それでいて基板サイズはW23×D20.5mm。他のリーフとスタックしてもほぼ同サイズに収まります。


Leafonyのエコシステムは「リーフを差し替えれば機能が変わる」という拡張性を前提に設計されています。通信リーフをBLEからLoRaに変更して屋外の広域モニタリングに対応させたり、センサーリーフを入れ替えて計測対象を変更したりと、ハードウェア構成の柔軟な変更が可能です。

4-Sensors Leafは、そうしたLeafonyエコシステムの入口として、まず手に取るべき1枚です。


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