Leafonyで開発を始めよう!Basic Kit 2の頭脳「AP03 STM32 MCU Leaf」を解説
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目次
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はじめに
Leafony Basic Kit 2には、センサーや通信モジュールなど複数のリーフが同梱されています。その中で「頭脳」にあたるのが、今回紹介する AP03 STM32 MCU Leaf です。
Basic Kit 2には温度・湿度・照度・加速度を計測する「4-Sensors Leaf」も同梱されています(詳しくはこちらの記事で解説しています)。センサーから受け取ったデータをどう処理し、どこに送るかを決めるのがMCU Leafの役割です。
Leafony(リーフォニー)とは
Leafonyは、リーフと呼ばれる小型基板を積み重ねて使うモジュール型のIoT開発プラットフォームです。マイコン・センサー・通信・電源といった機能ごとに基板が分かれており、用途に応じて必要なリーフを組み合わせる設計思想を採用しています。
基板サイズはおよそ2cm×2cm。コイン電池駆動を前提とした超低消費電力設計が特徴で、屋外設置や長期間のバッテリー運用が求められるIoTセンサーノードに適しています。
Basic Kit 2はLeafonyの入門キットで、マイコンリーフ・センサーリーフ・通信リーフ・電源リーフなど、IoTデバイスの基本構成に必要なリーフが一式揃っています。
AP03の基本スペック
AP03には、STMicroelectronics製の STM32L452RE が搭載されています。
項目 | 仕様 |
|---|---|
プロセッサコア | ARM Cortex-M4(FPU内蔵) |
クロック周波数 | 最大80MHz(16MHz / 80MHz 切替可能) |
Flashメモリ | 512KB |
SRAM | 160KB |
動作電圧 | 3.3V(入力範囲:3.0〜3.6V) |
デジタルI/O | 16ピン |
アナログ入力 | 6チャネル(12bit ADC) |
基板サイズ | W23×D20.5×H4.7mm |
Cortex-M4はFPU(浮動小数点演算ユニット)を内蔵しているため、センサーから取得した値の演算処理をハードウェアレベルで高速に実行できます。温度補正や移動平均の計算など、センサーデータの前処理を行う場面で効いてきます。

なぜSTM32L4シリーズなのか
マイコンの選定は、IoTデバイスの性能と電池寿命を左右する重要な設計判断です。STM32L4シリーズが選ばれている理由は、低消費電力と高い処理性能を両立している点にあります。
STM32L4は「超低消費電力」を謳うSTM32Lファミリーの中でも、Cortex-M4コアを採用した高性能ラインです。スリープモードからの復帰が高速で、「起きて、処理して、すぐ寝る」というIoTセンサーノードの基本動作パターンに最適化されています。
4-Sensors Leafが備える「センサーICの省電力モード」と組み合わせることで、マイコンもセンサーも待機中は最小限の電力で動作させ、コイン電池での長期運用を実現する設計が可能になります。
搭載機能の詳細
RTC(リアルタイムクロック)
AP03にはRTCとハードウェアカレンダーが内蔵されています。外部にRTCモジュールを追加しなくても、時刻管理やアラーム機能を利用できます。
IoTセンサーノードでは「毎時0分にセンサー値を取得する」「1日1回データを送信する」といったスケジュール動作が求められることが多く、RTCはその制御の起点になります。マイコンをスリープ状態にしておき、RTCアラームで復帰させるという省電力パターンの実装にも活用できます。
ADC(アナログ-デジタル変換)
12bit分解能のADCを6チャネル搭載しています。I2C接続のセンサー(4-Sensors Leafなど)とは別に、アナログ出力のセンサーを直接接続して計測することも可能です。
開発環境
AP03はArduino IDEで開発できます。Leafony向けのボード定義をインストールすることで、Arduinoの開発体験をそのまま活かせます。
設定項目 | 値 |
|---|---|
ボード選択 | Leafony STM32 |
クロック周波数 | 16MHz または 80MHz |
書き込み方法 | USB経由(AZ01 USBリーフまたはAX01 Shieldリーフと接続) |
クロック周波数は用途に応じて切り替え可能です。常時動作するアプリケーションでは80MHzでフル性能を引き出し、バッテリー駆動の間欠動作では16MHzに下げて消費電力を抑える、という使い分けができます。
また、SWD(Serial Wire Debug)にも対応しているため、ST-Linkなどのデバッグプローブを接続してブレークポイントやステップ実行によるデバッグも可能です。
4-Sensors Leafとの連携
前回の記事で紹介した4-Sensors Leafと組み合わせた場合の構成は以下のとおりです。
AP03(STM32 MCU Leaf)
├── I2C → 4-Sensors Leaf(温湿度・照度・加速度)
├── I2C → BLE Leaf(データ送信)
└── 電源 ← 電源リーフ(コイン電池 or USB給電)
AP03がI2Cバスのマスターとなり、各リーフのセンサーや通信モジュールに対してデータの読み書きを行います。ソフトウェアの観点では、Arduino IDEのWireライブラリを使ったI2C通信が基本です。
典型的な処理フローは次のようになります。
- RTCアラームでスリープから復帰
- 4-Sensors LeafのセンサーICを省電力モードから起こす
- I2C経由でセンサー値を取得
- BLE Leaf経由でデータを送信
- センサーICを省電力モードに戻す
- AP03自身もスリープに移行
この一連のサイクルを繰り返すことで、コイン電池1個での長期間動作が実現できます。
まとめ
AP03 STM32 MCU Leafは、Leafonyエコシステムにおける処理の中核を担うリーフです。STM32L4シリーズの低消費電力性能と、Cortex-M4の演算能力を2cm角の基板に凝縮しています。
RTC内蔵によるスケジュール駆動、Arduino IDEによる手軽な開発環境、そしてセンサーリーフや通信リーフとのI2C接続による柔軟な構成。これらが組み合わさることで、IoTセンサーノードの開発を効率的に進めることができます。
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