Leafonyでデータを飛ばそう!Basic Kit 2の通信リーフ「AC02 BLE Sugar」を解説

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Leafonyでデータを飛ばそう!Basic Kit 2の通信リーフ「AC02 BLE Sugar」を解説

目次

  1. はじめに
  2. Leafony(リーフォニー)とは
  3. AC02 BLE Sugarの基本スペック
  4. 搭載チップ BGM11S22F256GA-V2 の特徴
  5. BLE通信の仕組み
  6. 省電力と通信の両立
  7. 4-Sensors Leaf・AP03との連携
  8. まとめ

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はじめに

Leafony Basic Kit 2には、センサーリーフやマイコンリーフと並んで、通信リーフが同梱されています。センサーで取得したデータをスマートフォンやPCに送り届ける役割を担うのが、今回紹介する AC02 BLE Sugar です。

前回の記事ではBasic Kit 2の頭脳にあたる「AP03 STM32 MCU Leaf」を解説しました。マイコンがセンサー値を処理しても、それを外部に送信する手段がなければIoTデバイスとしては成立しません。AC02 BLE Sugarは、Bluetooth Low Energy(BLE)による無線通信をLeafonyに追加するためのリーフです。


Leafony(リーフォニー)とは

Leafonyは、リーフと呼ばれる小型基板を積み重ねて使うモジュール型のIoT開発プラットフォームです。マイコン・センサー・通信・電源といった機能ごとに基板が分かれており、用途に応じて必要なリーフを組み合わせる設計思想を採用しています。

基板サイズはおよそ2cm×2cm。コイン電池駆動を前提とした超低消費電力設計が特徴で、屋外設置や長期間のバッテリー運用が求められるIoTセンサーノードに適しています。

Basic Kit 2はLeafonyの入門キットで、マイコンリーフ・センサーリーフ・通信リーフ・電源リーフなど、IoTデバイスの基本構成に必要なリーフが一式揃っています。


AC02 BLE Sugarの基本スペック

AC02には、Silicon Labs製の BGM11S22F256GA-V2 が搭載されています。

項目

仕様

BLEモジュール

BGM11S22F256GA-V2(Silicon Labs)

内蔵SoC(※)

EFR32BG1(ARM Cortex-M4)

Bluetooth

4.2

周波数帯域

2400M~2483.5MHz

RX感度

-90 dBm(1 Mbit/s GFSK)

TX電力

+8 dBm以下

Flash

256KB

RAM

32KB

MCUとの接続

UART

基板サイズ

W23×D20.5×H4.7mm

無線認証

CE, FCC, ISED Canada, TELEC, KC, NCC

SoC(System on Chip) とは、プロセッサ・メモリ・通信回路など複数の機能を1つのチップに統合したものです。AC02の場合、EFR32BG1というSoCの中にARM Cortex-M4プロセッサ、メモリ、Bluetooth無線回路がすべて収まっています。BLEスタックや無線処理をモジュール側に持てるため、ホストMCU側の実装負担を抑えやすい設計です。


搭載チップ BGM11S22F256GA-V2 の特徴

AC02に搭載されている BGM11S22F256GA-V2 は、Silicon Labsが提供するBLEモジュールです。内部にはEFR32BG1シリーズのSoCが実装されており、ARM Cortex-M4コア、256KBのFlash、32KBのRAMを備えています。

このモジュールが採用されている理由は主に2つあります。

1. 日本を含む主要国・地域の無線認証を取得済み

日本国内でBLE機器を使用するにはTELEC(技術基準適合証明)の取得が必須です。BGM11S22F256GA-V2はTELECに加えて、CE(欧州)、FCC(米国)、ISED(カナダ)、KC(韓国)、NCC(台湾)の認証を取得しています。無線認証対応の負担を大きく減らせます。ただし、最終製品としての認証表示や実装条件への配慮は別途必要です。

2. モジュール型の設計

BGM11S22F256GA-V2はアンテナ内蔵のモジュール型です。外付けアンテナの設計やインピーダンスマッチングの調整が不要で、基板設計の難易度が下がります。Leafonyの小型基板に実装するうえで、この点は特に重要です。


BLE通信の仕組み

AC02とマイコンリーフ(AP03など)はUARTで接続されています。I2Cで接続されるセンサーリーフとは異なるインターフェースです。

通信の流れは以下のとおりです。

マイコンリーフ(AP03)
  │
  │ UART(シリアル通信)
  ↓
AC02 BLE Sugar
  │
  │ BLE(Bluetooth 4.2)
  ↓
スマートフォン / PC / ゲートウェイ

マイコンリーフがUART経由でAC02にデータを送ると、AC02内部のBLE機能を使って、受け取ったデータを無線送信します。受信側では、スマートフォンアプリやPCからBLE通信でデータを受け取れます。Web Bluetoothを使ったブラウザ表示も可能ですが、対応ブラウザや端末には制約があります。

UARTを採用していることにはメリットがあります。I2Cはバス型の通信で複数デバイスが同じラインを共有しますが、UARTはポイント・ツー・ポイントの通信です。センサー群のI2Cトラフィックと通信処理が干渉しないため、データ取得と送信を並行して安定的に行えます。

Bluetooth 4.2は、4.0/4.1に比べてセキュリティやデータ転送効率の面で改良が加えられた世代です。センサーデータ送信との相性がよく、低消費電力を維持しながら扱いやすい無線通信方式です。


省電力と通信の両立

BLE(Bluetooth Low Energy)は、その名の通り低消費電力を前提に設計された通信規格です。Classic Bluetoothと比較して消費電力が大幅に低く、コイン電池での長期運用に適しています。

BLEの省電力性は、接続間隔(Connection Interval) の設計によって実現されています。常時接続を維持するのではなく、一定間隔でのみ通信を行い、それ以外の時間はスリープ状態に移行します。この間欠動作のパターンは、Leafony全体の設計思想と一致しています。

Leafonyの省電力設計は、各レイヤーが連携して成り立っています。

レイヤー

省電力の仕組み

センサーリーフ(4-Sensors)

センサーICのPower-downモード

マイコンリーフ(AP03)

STM32L4のスリープモード + RTCアラーム復帰

通信リーフ(AC02)

BLEの間欠動作 + モジュールのスリープ

こうした構成を取ることで、計測時以外は各リーフを低消費電力状態に保ちやすく、コイン電池駆動の長期運用を目指しやすくなります。


4-Sensors Leaf・AP03との連携

Basic Kit 2の典型的な構成は以下のとおりです。

AP03(STM32 MCU Leaf)─── I2C ──→ 4-Sensors Leaf(温湿度・照度・加速度)
        │
        └── UART ──→ AC02 BLE Sugar ──→ スマートフォン / PC

この構成における処理フローを整理します。

  1. RTCアラームでAP03がスリープから復帰
  2. I2C経由で4-Sensors Leafのセンサー値(温度・湿度・照度・加速度)を取得
  3. 取得したデータをUART経由でAC02に送信
  4. AC02がBLEでデータを送信
  5. スマートフォンやPCがBLE経由でデータを受信
  6. AP03・センサー・AC02がスリープに移行

Leafony公式のサンプルコードには、この構成をそのまま試せるWeb BLEの実装例が用意されています。

この構成のポイントは、センサーの追加・変更がハードウェアの差し替えだけで完結することです。4-Sensors Leafを別のセンサーリーフに交換しても、通信リーフ側の変更は不要です。マイコンリーフのファームウェアでI2Cアドレスを書き換えるだけで、異なるセンサーのデータをBLEで送信できます。


まとめ

AC02 BLE Sugarは、Leafonyエコシステムに無線通信機能を追加するためのリーフです。Silicon Labs製のBLEモジュール BGM11S22F256GA-V2 を搭載し、CE、FCC、ISED Canada、TELEC、KC、NCCに対応したモジュールを搭載しており、開発者は認証済みモジュールを活用することで、無線認証対応の負担を大きく減らしながらBLE対応のIoTデバイスを構築できます。

UART接続によるセンサーバスとの分離、BLEの低消費電力動作、そしてマイコンリーフ・センサーリーフとの一貫した省電力設計。これらの特性が組み合わさることで、コイン電池駆動の小型IoTセンサーノードにおける「データを飛ばす」部分を、手軽かつ確実にカバーしています。


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